日本の学校を卒業して、そのまま日本で働く。そのためには在留資格の変更という手続きが必要です。
この記事は、手続きをするご本人に向けて書いています。会社側が何をするかはこちらの記事をご覧ください。
なお「留学ビザ」「就労ビザ」は正式な名称ではありません。正しくは在留資格といいます。この記事ではわかりやすさのために、両方の言い方を使います。
卒業しても、自動では働けません
在留資格「留学」は、勉強するための資格です。
アルバイトができているのは、資格外活動許可を受けているからです。卒業すると学生ではなくなりますので、働くための在留資格に変えなければなりません。
これは「更新」ではなく「変更」です。違いはこちらの記事で解説しています。
いつ申請するか
出入国在留管理庁は、こう案内しています。
「4月からの就労を希望する場合には、12月1日から1月末までの間に申請」
12月1日です。卒業式のあとではありません。
法律上の申請期間は、こう定められています。
「在留資格の変更の事由が生じたときから在留期間満了日以前」
つまり在留期間が切れる前です。ただし実務では、上の「12月1日から1月末」に合わせて動きます。
なぜ早く出すのか
標準処理期間が「1か月〜2か月」とされているからです。
2月に申請すると、4月1日の入社に間に合わないおそれがあります。内定が出たら、12月まで待って、すぐ申請すると考えてください。
申請するのは、あなたです
会社ではありません。出入国在留管理庁は、申請できる人をこう案内しています。
「本人、法定代理人、申請等取次者(承認を受けた機関職員、弁護士、行政書士、または特定の親族等)」
会社は、雇用契約書や会社の資料を準備して、あなたに渡す立場です。
申請取次行政書士に依頼すれば、あなたの代わりに入管へ書類を出すことができます。入管の窓口へ出向く必要がなくなる場合があります。
どこに出すか
「住居地を管轄する地方出入国在留管理官署」です。
学校のある場所でも、会社のある場所でもありません。あなたが住んでいる場所で決まります。
オンラインでの申請も認められています。
【重要】手数料が令和8年10月1日から変わります
ここは必ずご確認ください。
| 申請した時期 | 手数料 |
|---|---|
| 令和8年9月30日までの申請 | 窓口 6,000円/オンライン 5,500円 |
| 令和8年10月1日以後の申請 | 許可される在留期間に応じた額(下表) |
出入国在留管理庁の案内です。
「改定後の手数料は、令和8年10月1日以後に申請を行い在留資格の変更の許可、在留期間の更新の許可又は永住許可を受ける外国人が納付することとなります」
「2026年9月30日までに受付した申請については、当該申請に係る許可が10月1日以降となっても、改定前の手数料による納付となります」
基準は「申請した日」です。許可が10月以降になっても、9月30日までに申請していれば改定前の額です。
改定後の手数料(在留資格変更許可・在留期間更新許可)
改正入管法施行令第25条第1項により、許可される在留期間の区分ごとに定められました。
| 許可期間 | 窓口 | オンライン |
|---|---|---|
| 3月以下 | 10,000円 | 10,000円 |
| 3月超6月以下 | 18,000円 | 15,000円 |
| 6月超1年未満 | 25,000円 | 21,000円 |
| 1年 | 33,000円 | 27,000円 |
| 1年超3年未満 | 48,000円 | 42,000円 |
| 3年以上5年未満 | 64,000円 | 56,000円 |
| 5年以上 | 75,000円 | 65,000円 |
6,000円から、1年で33,000円。5倍を超えます。しかも許可される在留期間が長いほど高くなります。申請の時点では、何年の在留期間が決定されるかわかりませんので、金額も確定しません。
永住許可は、窓口10,000円から200,000円になります。
| 許可 | 改定前 | 改定後 |
|---|---|---|
| 永住許可(窓口) | 10,000円 | 200,000円 |
3月以下の期間を除き、オンライン申請のほうが安く設定されています。ただし後述のとおり、別途決済手数料がかかります。
納付のしかたも変わります
| 納付方法 | |
|---|---|
| 窓口での申請 | 収入印紙(従来どおり) |
| オンライン申請 | コンビニ決済又は銀行決済のみ。収入印紙による納付はできません |
リーフレットには、こう注記されています。
「オンライン申請の場合、手数料はコンビニ決済又は銀行決済による納付のみとなり、収入印紙による納付はできません。また、上記手数料のほかに、別途決済手数料が必要となります。」
オンラインのほうが本体の手数料は安く設定されていますが、決済手数料が別にかかります。差額と見比べてご判断ください。
なお、経済的な事情などがある方については、減額又は免除の措置が設けられています。出入国在留管理庁のQ&Aによれば、在留資格の変更又は在留期間の更新の許可を受ける方で3月を超える在留期間が決定される方が減額の対象者である場合には1万円まで減額、永住許可を受ける方が減額の対象である場合には2万円まで減額とされています。対象になるかどうかは個別の判断になりますので、出入国在留管理庁の案内をご確認ください。
在留期間が切れそうなときは
「申請したけれど、結果が出る前に在留期間が終わってしまう」
この場合について、入管法第20条第6項に定めがあります。
「その申請に対する処分がされないときは、当該外国人は、その在留期間の満了後も、当該処分がされる時又は従前の在留期間の満了の日から二月を経過する日が終了する時のいずれか早い時までの間は、引き続き当該在留資格をもつて本邦に在留することができる。」
結果が出るまで、または在留期間満了から2か月までのどちらか早いほうまで、とされています。
ただし申請していることが前提です。何もせずに期間が過ぎれば、不法残留になります。
※在留期間が30日以下の方は、この規定の対象外とされています。
何の在留資格に変えるか
① 技術・人文知識・国際業務(技人国)
いちばん多いのがこれです。学校で学んだこととする仕事に関連性が必要です。
| 内容 | |
|---|---|
| 学歴または実務経験 | 関連する科目を専攻して大学を卒業、または専修学校の専門課程を修了(専門士・高度専門士)など |
| 職務内容との関連性 | 専攻と仕事に関連があること |
| 報酬 | 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上 |
日本語教育機関を修了しただけでは、学歴の要件を満たしません。ただし海外の大学を卒業されている場合など、別途要件を満たすことがあります。
どんな仕事ができるかはこちらの記事をご覧ください。
通訳・翻訳などの仕事に就く方へ。令和8年4月15日から、主に言語能力を用いる対人業務に従事する場合にはCEFR・B2相当の言語能力を有していることが前提とされています。日本語であればJLPT・N2以上、BJTビジネス日本語能力テスト400点以上などが挙げられています。詳しくはこちらの記事に書いています。
② 特定活動(46号)
日本の大学・大学院を卒業された方で、日本語能力試験N1またはBJTビジネス日本語能力テスト480点以上をお持ちの場合、この在留資格を選べる場合があります。技人国より幅広い仕事に就ける点が特徴です。
※一般の専門学校卒業(専門士)は対象になりません。
就職先が決まらないまま卒業したら
出入国在留管理庁は、こう案内しています。
「就職活動を行うための在留資格(特定活動、在留期間は6月)への変更が認められ、更に1回の在留期間の更新が認められるため、大学等を卒業後も就職活動のために1年間本邦に滞在することが可能」
さらに就職支援事業に参加する場合は、卒業後2年目まで滞在できるとされています。
ただし条件があります。
「就職活動を継続するに当たり卒業した教育機関の推薦がある」
学校の推薦が必要とされています。卒業前に、学校の担当の方へご相談ください。
内定は出たが、入社まで間があるときは
この場合も「特定活動」で在留できる場合があります。条件は、
「内定後1年以内であって、かつ、卒業後1年6月以内に採用されること」
とされています。
申請前に、自分で確認しておくこと
- 学校で専攻した科目と、就く仕事に関連があるか
- 給料が、同じ仕事をする日本人と同じかそれ以上か
- 卒業できる見込みがあるか
- 住居地が入管に正しく届け出てあるか
とくに1つ目と2つ目が、よく問題になるところです。「接客だけ」「工場のライン作業だけ」といった内容では、技人国の許可は難しくなります。
内定を受ける前に、どんな仕事をするのかを具体的に聞いておいてください。
まとめ
- 卒業しても自動では働けません。「更新」ではなく「変更」の手続きが必要です
- 4月就労なら、12月1日から1月末までに申請
- 標準処理期間は1か月〜2か月とされています
- 申請するのはあなた。ただし申請取次行政書士に依頼することができます
- 申請先は住居地を管轄する地方出入国在留管理官署。オンラインでの申請も認められています
- 手数料は令和8年10月1日以後の申請から大幅に上がります。9月30日までの申請なら改定前の額(窓口6,000円・オンライン5,500円)。10月1日以後は許可される在留期間に応じて10,000円〜75,000円(永住許可は200,000円)
- 申請中に在留期間が切れても、処分の時または満了から2か月のいずれか早いときまで在留できるとされています(入管法第20条第6項)
- 就職が決まらなくても、学校の推薦があれば就職活動のための「特定活動」に変更できる場合があります
出典
e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(第20条)
出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」
出入国在留管理庁「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について」
出入国在留管理庁「在留許可手数料の額及び減額又は免除の対象者等について」(改正入管法施行令第25条第1項)
出入国在留管理庁「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等に関するQ&A」
出入国在留管理庁「在留資格「留学」から就労資格への変更申請を予定されている皆様へ」
出入国在留管理庁「在留資格「特定活動」(本邦大学等卒業者及びその配偶者等)」
出入国在留管理庁「大学等を卒業後就職活動のための滞在をご希望のみなさまへ」
出入国在留管理庁「大学又は専門学校の在学中又は卒業後に就職先が内定し採用までの滞在をご希望のみなさまへ」
※本記事は2026年9月時点の情報に基づく一般的な情報提供です。手数料は令和8年10月1日から改定されます。個別のご事情により取扱いが異なりますので、実際のお手続きにあたっては出入国在留管理庁の最新の情報をご確認いただくか、ご相談ください。
Shoko行政書士事務所では、在留資格に関するご相談をお受けしています。当事務所は地方出入国在留管理局長に届け出た申請取次行政書士です。兵庫県宝塚市を拠点とし、京都府京都市・大阪府大阪市を中心にオンライン・訪問にて対応させていただきます。初回相談は無料ですので、まずはお気軽にご連絡ください。
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