外国人社員の
社会保険加入義務

「外国人だから社会保険は入らなくていい」——これは誤解です。社会保険の加入義務に国籍は関係ありません。この記事では、外国人社員を雇う際の社会保険について整理します。

大原則:国籍は関係ありません

社会保険(健康保険・厚生年金保険)や労働保険(雇用保険・労災保険)は、国籍・在留資格を問わず、要件を満たせば加入義務が生じます。

「本人が加入を希望しない」「短期間で帰国するから」といった理由で加入させないことはできません。加入は事業主の義務であり、本人の意思で選べるものではありません。

4つの保険それぞれの扱い

健康保険・厚生年金保険

適用事業所で働く方は、国籍を問わず被保険者になります。フルタイムの社員であれば当然に加入対象です。

雇用保険

次の両方を満たす方は加入対象です。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 31日以上の雇用見込みがある

なお、雇い入れ時・離職時にはハローワークへの届出も必要です(ハローワークへの外国人雇用届出義務とはで解説しています)。

労災保険

すべての労働者に適用されます。労働時間や雇用形態を問わず、事業主が加入手続きを行います。

短時間労働者の場合(2026年10月に改正)

パート・アルバイトなど短時間で働く方も、一定の要件を満たすと社会保険の加入対象になります。

現在(2026年7月時点)の主な要件

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 所定内賃金が月額8.8万円以上
  • 2か月を超える雇用の見込み
  • 学生でないこと
  • 被保険者数51人以上の企業

2026年10月から

このうち月額8.8万円以上(いわゆる106万円の壁)という賃金要件が撤廃される予定です。週20時間以上働く方は、賃金額にかかわらず加入対象となります。

その後、従業員数の要件も段階的に引き下げられます(2027年10月に36人以上、2029年10月に21人以上、2032年10月に11人以上)。パート・アルバイトで外国人を雇っている企業は、影響を確認しておく必要があります。

留学生アルバイトの扱い

「留学」の在留資格で資格外活動許可を得てアルバイトをしている方は、昼間学生のため雇用保険は原則として適用除外です。

ただし、卒業見込証明書があり、卒業前に就職して卒業後も引き続き同じ事業所に勤務する予定の方などは、加入対象となります。

加入させないと在留資格に影響します

ここが実務上もっとも重要です。

社会保険への未加入や保険料の未納は、在留期間の更新や永住許可の審査で不利に働きます。近年、審査では年金・保険の納付状況が厳しく確認されるようになっています。

会社が加入手続きを怠ったために、本人が在留資格の更新で不許可になる——そうしたケースを避けるためにも、適切な加入手続きが欠かせません。

社会保障協定にも注意

日本は多くの国と社会保障協定を結んでいます。協定を結んでいる国から一時的に派遣されてくる方などは、母国の制度にのみ加入すればよい場合があります(二重加入の防止)。

対象となるかは国籍と派遣期間によって変わりますので、該当しそうな場合は事前に確認してください。

まとめ

社会保険の加入義務に国籍は関係ありません。「本人が希望しない」という理由で加入させないことはできず、未加入は本人の在留資格更新や永住許可にも影響します。2026年10月には短時間労働者の賃金要件が撤廃されるため、パート・アルバイトで外国人を雇っている企業は早めに確認しておきましょう。

※本記事は2026年7月時点の情報に基づいています。法令や制度は改正される場合がありますので、実際のお手続きにあたっては最新の情報をご確認ください。

Shoko行政書士事務所では、在留資格・外国人雇用に関するご相談をお受けしています。兵庫県宝塚市を拠点とし、京都府京都市・大阪府大阪市を中心にオンライン・訪問にて対応させていただきます。初回相談は無料ですので、まずはお気軽にご連絡ください。

なお、社会保険の加入手続きそのものは社会保険労務士の業務となります。当事務所では在留資格の観点からのご相談をお受けしています。

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