「遺言書にペットの世話を頼む相手を書いておけば安心」と思っている方は多いです。しかし、遺言書だけでは思い通りにならないケースがあります。この記事では、遺言書にペットのことを書く際に知っておくべき注意点をまとめます。
ペットは法律上「物」として扱われる
民法上、ペットは動産(物)として扱われます。人のように「〇〇に面倒を見てもらう権利」を持つことはできません。そのため、遺言書でペットについて書く場合は、財産としてのペット(動物)を誰かに譲る形で記載することになります。
「世話をお願いします」と書くだけでは不十分
遺言書に「〇〇にペットの世話をお願いします」と書いても、それは法的な強制力を持ちません。頼まれた相手が断ることも、途中でやめることも可能です。
また、遺贈(遺言による財産の譲り渡し)は、受け取る側が放棄することができます。指定した相手が受け取りを断った場合、ペットの行き先が決まらなくなるリスクがあります。
「負担付き遺贈」という方法
より実効性を持たせるための方法として、負担付き遺贈があります。これは、財産を受け取ることと引き換えに、ペットの世話をする義務を負わせる書き方です。
記載例:
「預金〇〇円と犬(名前:〇〇、マイクロチップ番号:〇〇)を△△に遺贈する。ただし△△は〇〇が死亡するまで適切に世話をする義務を負う」
ただし、この方法でも遺贈自体を受遺者が放棄することは可能です。受遺者が放棄した場合、負担(世話の義務)も消滅します。
ペットを特定する記載を入れる
遺言書でペットについて書く場合、後から「どのペットのことか」がわかるよう、できるだけ具体的に記載しておくことが重要です。
記載しておきたい情報:
- 動物の種類・品種
- 名前
- マイクロチップ番号(登録済みの場合)
- 毛色・特徴
引き取り手が見つからない場合の備えも必要
指定した相手が先に亡くなっていた場合や、遺贈を放棄された場合に備えて、第二候補の引き取り先を書いておくことも検討してください。
また、ペットの世話にかかる費用(エサ代・医療費など)も一緒に遺贈しておくと、引き取り手の負担を軽減できます。
遺言書だけでは不安な場合の補完策
遺言書の限界をカバーする方法として、次の選択肢があります。
- 飼育委託契約書:生前に引き取り手と契約を結んでおく
- ペット信託:信頼できる人に財産を預け、ペットの世話に使ってもらう仕組みを作る
遺言書と組み合わせることで、より確実にペットの将来を守ることができます。
まとめ
遺言書にペットのことを書く際は、①ペットを動産として遺贈する、②世話の費用も一緒に手当てする、③負担付き遺贈の形を取る、の3点が基本です。ただし遺言書だけでは限界があるため、飼育委託契約書やペット信託と組み合わせることが、より確実な備えになります。
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